【 本山納骨 】

古くからお寺では、僧侶の社会救済行の一環として、戦(いくさ)で亡くなった人や行き倒れとなった旅人、事情を抱えた人などの無縁仏を集め合祀してきた歴史があります。

各宗派の本山寺院でも古くから、宗祖を慕う信徒や、経済的理由や事情があってお墓を立てられない人のための納骨制度があります。
各本山寺院ではそれぞれ納骨堂の名称など呼び名が異なることもありますが、このような納骨制度は一般に本山納骨と呼ばれています。

本山納骨は、少子化や核家族化の影響で、継続を前提とする従来のお墓を持てないが、故人の成仏を願う人の間で好評です。

利用者の声としては、故人となった親や自分自身が宗祖を信心している。あるいは、慣れ親しんだ従来の仏教による供養に安心を感じている人達が多いようです。
もちろん、宗派の始祖の祭られている霊廟でもあり、仏教徒としては最も格の高い場所が合祀とはいえ格安の費用で納骨してもらえるわけだから、世間体や経済性の面からも魅力的に映るのでしょう。

本山納骨は、次のような共通点があります。
  1. 開祖の眠る側に納骨できる。
  2. 家の宗派の檀家寺にお墓をもてなくても、家の宗派でお祀りしてもらえる。
  3. 納骨料(お布施・志納金)が安くかつ明快。
  4. 納骨の後、年間管理費や寄付を求められることがない。
  5. 必要に応じ法要をお願いしたい場合は、いつでも対応してもらえる。
  6. 本山納骨は合祀型(共同墓)のため一度納骨したお骨は返還できません。

昨今、納骨者の条件に信徒であることやお骨の量について制限が加えられているようです。
それぞれの本山納骨の事務所にお尋ねください。

※この項での記述は NPO手元供養協会会長 山崎譲二著 「手元供養のすすめ-お墓の心配無用」(祥伝社新書)の内容から抜粋して紹介しています。