◇火葬・遺骨に関する情報 NPO手元供養協会
●火葬率、宗教・お国事情とでこんなに違うんです!
☆日本の火葬率は、99%以上です。世界のトップレベル。
☆欧米では火葬が急増!墓地としての土地不足の問題や、費用(土葬の方が費用がかかる)の点から。
欧米は土葬が主でしたがプロテスタント圏では、火葬が増加しています。イギリス、デンマー ク、スウェーデン、チェコなどでは65~70%と高い普及率です。
☆中国も政府が火葬を奨励!土葬から火葬へ
人口が密集した都市部を中心に、火葬への移行が進められています。ちなみに香港の火葬率は72%です。遺灰は土地の有効活用の面から、海や川に、森林に撒く方法も推奨されています。
☆韓国でも火葬で墓不足解消!?
従来の土饅頭型から韓国でも、都市部を中心に火葬が増え、納骨堂納めるタイプや散骨・樹木葬も普及。
●遺骨の収骨方法「お骨上げ」は日本だけの習慣!
☆日本では火葬の後、焼骨の「お骨上げ」という収骨を行いますが世界のどの国にもない葬送習 慣です。生前の骨格の原型をいかにとどめるか、日本の火葬技術は世界でもトップクラスです。 その技術は近代設備と日本人のナイーブでシビアな遺骨へのこだわりから磨かれたといえます。
☆対して欧米では、火葬場でお別れをした後は火葬の立会いはしません。では遺骨は?高温で焼 くのでほとんど原型がなく灰の状態に近いのですが、その焼骨を火葬場に設置されている砕骨 用の機械でパウダー状に砕骨(粉骨)します。遺族には後日この粉末状の「遺灰」を渡します。 欧米で遺灰を撒くことに抵抗感が少ないのは、遺骨が遺灰状態になっているからでしょうか。 最近では韓国でも砕骨用の機械を設置している火葬場が増えているようです。
「世界の中心で愛を叫ぶ:片山恭一【著】」をご覧になりましたか?
主人公が離さずに持っていたガラス瓶の中身は愛する人の遺灰でした。
自分らしい葬送・供養方法の一つではないでしょうか?
◇火葬・遺骨についての一般情報
●公営の火葬料っていくら
関西は火葬場の運営は公営ですが、関東、特に東京は公営の火葬場が少なく民営が多いことはご存知ですか?公営の場合は市民は無料かもしくは定額で抑えられています。民営の場合には炉面のスペースや付帯サービスにより火葬料金が異なります。(火葬の仕方に変化があるわけではありません)。
<料金参考例>※詳しくは自治体へお問い合わせください。※火葬料金には消費税はかかりません。
- ●大阪市立斎場 大人(12歳以上)・・・市民 10,000円
- ●堺市立斎場 10歳以上の者・・・市民 20,000円
- ●民営(東京)斎場 大人・・・特等177,000円~並等48,300円
●市町村により料金が違います。また市住民、その他により料金が違います。●施設利用にあたり心付けは一切必要ありません。
●民営の場合は、火葬以外のその他サービスが含まれます。
●「骨上げ」の習慣、東西で大きく違います。
関東以北では遺骨を全部拾う全骨収骨ですが、西日本では「のどぼとけ」(実際には第二頸」)を中心とした部分収骨が行われています。当然骨壷サイズも7寸(関東)、3寸(関西)と大きく違います。西日本で部分収骨した残りの骨は、普通火葬場で供養され埋められます。もちろん遺族の希望があれば全骨拾うこともできるそうです。分骨を希望する場合は、火葬前に申し出てください。(分骨証明書を発行してくれます。またその際は分骨用の骨壷を用意してください)
葬儀を全て葬儀社に任せた場合は、骨壷は白無地の骨壷が用意されます。この頃は自分で骨壷を作ったり事前に
お気に入り骨壷を選ぶ方もいらっしゃいます。火葬場で直接遺骨を収める場合は、形状や素材など適さないこと
もあります。せっかく選んだ骨壷が使用できるように、事前に確認しておきましょう。
◇疑問・悩み解決への ≪知識&手がかり≫
遺骨をずっと家に置いたまま。納骨しないとダメ?
※首都圏では自宅に安置されている遺骨は100万体以上
といわれています。
【 知識 】=「墓地埋葬等に関する法律(墓理法)」でも遺骨については埋葬場所が決められているだけなので、遺骨のまま自宅に安置していても法律的には問題はありません。
→ 経済的な方法として、まず行政書士に相談する。
ポイント
自宅に保管していても大丈夫!
火葬後の遺骨の扱いは、故人や遺族の意思で自由に決められます。
※火葬後に交付された「埋(火)葬許可書」は紛失しないように注意!納骨時に必要。
分骨するのはいけないの?
※宗教者に相談すると戒められたという話を耳にしますが、分骨はダメなのでしょうか?
【 手がかり 】
→ 1・お釈迦様も分骨されたってご存知ですか? 釈迦が亡くなった時、遺体は荼毘に付されました。 そして弟子が釈迦の骨を有難い物として8つに分骨しました。(仏舎利と言われています)
→ 2・身近なところで分骨していますが気がついていますか? 西日本では部分収骨した残りの骨は 火葬場で供養し埋葬します。身近なところでも分骨されています。
ポイント
日本では遺骨を尊重する習俗が続いてきましたが、時代とともに変化しています。分骨 は法律的にも認められています。また遺骨に手を加えることも規制はされていません。 散骨の場合は、骨の形を留めぬよう細かく砕かなければなりません。
※習俗にこだわらない・幅広い情報収集から自分なりの価値判断を見つけてください
欧米の粉骨と同じことを日本でもしてもらえますか?
※遺骨のパウダー化する人が増えているそうですが?
【 解決策 】= 粉骨(遺骨のパウダー化)は自分でする方も多いですが、最近では一部の葬儀関係社や散骨業者などでもサービスをしています。
ポイント
粉骨すると体積が3割程度まで減量し、保管も容易です。
【 キーワード 】
●ダイオキシン類による環境汚染が大きな社会問題となっています。
プラスチック製品や化学繊維等の副葬品や、棺の材質(合板など)や接着剤によっては、ダイオキシン類の発生が考えられます。環境汚染を防ぐため、副葬品を極力棺に入れないよう各自治体では自粛を呼びかけています。また心臓のペースメーカーなど爆発の危険性がある物は注意してください。最近では環境に配慮した紙製の棺も使われるようになりました。
●骨仏といえば一心寺!でも…日本各地にも骨仏がありました!!
※遺骨で造られた仏様のラインナップです。
○大阪市 浄土宗・一心寺、浄土宗・顕祥寺 ○姫路市 浄土宗・光明寺
○東京都江戸川区 浄土宗・大雲寺 ○名古屋市 曹洞宗・白王寺
○東京墨田区 浄土真宗本願寺派(西本願寺)本願寺築地別院・慈光院
○金沢市 浄土真宗大谷派・孝真寺 、浄土宗・大円寺
○高松市 浄土宗・法然寺 ○京都市 浄土宗大本山・清浄華院 ○敦賀市 浄土宗・西福寺
●奈良時代すでに火葬・散骨の葬法がありました。
日本で最初に火葬されたのは法相宗[ほっそうしゅう:本山 興福寺、薬師寺]の道昭で今から1300年以上前の西暦700年のことでした。その後702年に持統(じとう)天皇も火葬されました。それまで日本はすべて土葬でしたので、衝撃的な出来事だったと想像できます。
「万葉集」巻七挽歌の「朝蒔きし」「蒔けば」の句は火葬した遺灰を蒔くという行為をうたったもので散骨の風習を伝えるものである。(藤井正雄「死と骨の習俗」より)
秋津野を人の懸くれば朝蒔きし
君が思ほえて歎きはやまず
玉梓の妹は珠かもあしひきの
清き山辺に蒔けば散りぬる
玉梓の妹は花かもあしひきの