【散骨】

散骨1991年、散骨の合法性を国が認めるきっかけをつくった「NPO法人葬送の自由をすすめる会」安田睦彦前会長によれば「差別、偏見憎悪と戦いに満ちた現世から、全て平等で安らかな世界への旅立ち。うみ・やまへ還る旅」と言っています。
このような考え方や「暗く冷たい墓に入りたくない。自分は、好きだった海や山で自然(土)に還りたい。」あるいは、散骨される方の中には自分の死後、「遺された家族や子供に高い墓やその後に続くお寺さんとのつきあいで面倒かけたくない」などの理由の方もいらっしゃるようです。

第一生命経済研究所でおこなったの2009年の調査では、一部若しくは全部を散骨して欲しいと応えた人は全体の28.8%にのぼります。
今や散骨は、変わった珍しい葬送ではなく、市民権を得た葬法になってきていることが伺えます。

散骨に関わる法律は下記に述べる2つの法律があります。

【 墓地埋葬等に関する法律 】

墓地・埋葬に関する基本法である「墓地埋葬等に関する法律」は昭和23年に出来た法律です。敗戦直後の混乱の中で、安易な土葬による伝染病などの広がりを避けるために、土葬あるいは火葬後の遺骨を墳墓などの納骨場所に埋蔵,収蔵することについて規定したものです。
すでに焼骨され衛生上問題なくなった遺灰を海や山に撒く自然葬(散骨)は想定されておりません。

【 刑法第190条 死体等損壊・遺棄罪 】

「刑法第190条 死体等損壊・遺棄罪」については、故人を弔うための祭祀として自宅に保管したり、散骨を行う事は「葬送のための祭祀として節度をもって行うものについては遺棄罪にはあたらない」との見解を国は示しています。

そして、散骨をするための特別の許可や届出は必要ありません。 ただし、骨と分からないよう粉骨しておく事が必要です。加えて、風評被害を生じないためにもマナーとモラルがとても大切です。

現在、「NPO法人葬送の自由をすすめる会」の他、民間散骨会社の草分け(http://sankotsu-kaze.com/)など、全国に散骨サービスを行っている専門会社が30社程度あります。
各社のホームページ等を比較し安心できる会社を選んで行って下さい。
遺骨の粉骨を行ってくれる業者もあり、散骨は自分(家族)でも行なえます。
マナーを守って行なって下さい。全骨を散骨してしまうと、時間が経つと手を合わせるものがない寂しさを感じるようです。散骨と手元供養を組み合わせて行うことをお奨めします。

※この項での記述は NPO手元供養協会会長 山崎譲二著 「手元供養のすすめ-お墓の心配無用」(祥伝社新書)の内容から抜粋して紹介しています。